【パン屋さんめぐり 第10 回前編】foodscape!@大阪府大阪市

パン好きのみなさま、こんにちは。「Pasco スタッフがいく!全国のおいしいパン屋さんめぐり」は、ついに10 回目を迎えました! いつもご覧いただいているみなさま、取材にご協力いただいたお店のみなさまのおかげです。ありがとうございます。

 

さて今回は、大阪市内にある「foodscape!(フードスケープ!)」さんをご紹介します。パンの製造販売だけでなくケータリングやワークショップなど、パンを中心とした食に関する活動も幅広く行われているパン屋さん。その活動の背景にある想いや、パンのこだわりについて、お店をプロデュースされている料理開拓人の堀田裕介さん、お店を任されている副店長兼パン職人の三浦心さんにお話をお伺いしました。

 

<記事のポイント>

・お店のコンセプトに込めた想い

・職人さんと二人三脚のパン作り

・「Farm to Bakery」を体感できるお店づくり

 

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通勤に、お出かけに、立ち寄りやすいパン屋さん

 

「foodscape!」があるのは、ビジネス街と住宅街が隣り合い、グルメスポットとしても人気の高い大阪市福島区。多くの人々で賑わう大通りに面しており、「foodscape!」と書かれた大きなロゴの看板が目印です。大きなガラス窓の向こうに見えるパンの姿に気分が高まります。


「foodscape!」のロゴをよく見ると・・・「food×scape」。ここには堀田さんのある想いが込められています。

 

扉を開けると、惣菜パンをはじめ、スイーツ系やバゲットまで、約60 種類ものパンたちがが並んでいます。

 


お店は1階がベーカリー&カフェ&イートインスペース、2階はイートインカフェスペース。パンを買って、すぐに店内で食べられるのもうれしいポイント。

 

一般的なパン屋さんのように見えますが、実はお店の至る所に仕掛けがあるんです。その秘密は、後編でご紹介します。

 

 

生産者と生活者をつなぐ、「Farm to Bakery」

 

−−− こんにちは!今日はお忙しい中ありがとうございます。まず堀田さんにお伺いしたいのですが、プロデューサーとして「foodscape!」を立ち上げられた経緯を教えていただけますか?

 


左が副店長でありパン職人の三浦心さん、右がプロデューサーの堀田裕介さん。

 

堀田さん:そもそも僕はパン職人ではありません。一度もパンを作ったことがないんです。

 

−−− そうなんですね。びっくりです!それなのに、なぜパン屋をプロデュースされることになったのでしょうか?

 

堀田さん:これまで“料理開拓人”という肩書きで、全国各地でケータリングをしたり、食のイベントを立ち上げたりと、食をテーマにいろんな活動をしてきました。それまで、お店を持たずに活動してきたので、「foodscape!」のプロデュースのお話をもらった時は、よい機会になると思い、引き受けることにしました。

 

−−− パン職人ではないのに、ベーカリー&カフェをプロデュースされるのは、大変ではなかったですか?

 

堀田さん:戸惑いとかはなかったですね。まずは、パン屋さんめぐりをしたり、パン屋さんの経営本を読んだり、知り合いのパン職人やバリスタに相談しながら、お店のコンセプトを考えて、2015 年にオープンしました。関東では、料理人がプロデュースするパン屋さんもあるんですが、当時の関西ではまだその流れが全くなかったんです。パン屋さんで修業を積んだ職人がそのままオーナーを引き継ぐパターンが王道だったので、お店を立ち上げた当初は異質な存在として見られていたと思います。


かつては料理人、料理研究家として商品開発なども手がけていた堀田さん。ある時、“料理開拓人”の方がしっくり来ると言われたことがきっかけで、肩書きを変えたそうです。

 

−−− 関西のパン業界に、新しい風を吹かせたお店だったんですね。どんなコンセプトにされたんですか?

 

堀田さん:「Farm to Bakery」です。生産者の方から直接届いた食材やみなさんの想いを、パンで楽しめるようにしたいという想いを込めました。

 

−−− なぜそうしようと思われたんですか?

 

堀田さん: 料理人として働いていたとき、業者さんに食材を発注して、生産者がわからない食材を調理して、どんなお客さまに料理を食べていただいているのかも分からない・・・そんな日々に違和感を感じたのがきっかけです。

 

−−− 生産者も、生活者も見えない状況だったんですね。

 

堀田さん:職場を変えて、生産者の方が直接お店に食材を届けに来てくださるようになりました。そこから、生産者の方の暮らしや食材作りについて興味が湧いたんです。そして実際に生産者のもとへ足を運ぶようになりました。その出会いから、僕自身が生産者の方と街の生活者のみなさんをつなぐ存在になりたいと思ったんです。特にパンは、価格も高くなくて、手に取りやすい。子どもからお年寄りまで、幅広い世代の方に食べてもらえるものなので、より気軽に、より多くの方にパンを味わってもらいながら、食材のおいしさや想いを感じてもらえると思いました。その想いから、「食べ物」を表す「food」と、日本の風景や風土を表すランドスケープ「scape」を組み合わせた「foodscape!」を店名にしました。

 

 

生産者さんたちから届く酒粕や米粉を使ったパン

 

−−− 手がけていらっしゃるパンも、生産者さんから直接届いた食材を使っているんですか?

 

堀田さん:全部ではないのですが、生地に使っているものがあります。そのひとつが「酒粕」です。

 

−−− いろんな食材がある中で、なぜ酒粕を選ばれたんですか?

 

堀田さん:創業時、看板商品を作ろうとした時に、珍しい組み合わせのパンを作りたいと考えました。たとえば、日本のトラディショナルフード×おしゃれなベーカリー。このちょっとした違和感に人は新しさを感じて、興味を持ってくれるんじゃないかなと。酒粕は日本の伝統的な食材でもあるので、ぜひ使ってみたいなと思いました。

 

−−−  新しいお店がオープンするとき、「どんなパンが食べられるんだろう?」と楽しみにされるお客さまは多いですよね。

 

堀田さん:そこで出会ったのが、滋賀県の地酒「七本槍」を製造する冨田酒造さんが「七本槍」を作る過程でできた酒粕です。この酒粕は、農薬・化学肥料の使用を最小限におさえたお米作りをされている、滋賀県の「みたて農園」という米農家さんが作る酒米からできているんです。

 


酒粕を生地に練り込んで焼き上げた「酒粕ホットドッグ」。

 

堀田さん:酒粕だけでなく、「みたて農園」さんの米粉を使ったパンもあります。たとえば米粉のクロワッサン。バターをふんだんに使ったクロワッサンとは、ひと味違います。

 


小麦粉だけよりも表面がよりパリッとして、米粉独特のもっちり感がある「米粉のクロワッサン」。何個でも食べられるおいしさ。

 

−−− 原材料の生産者さんのこともよく知っていらして、まさに「Farm to Bakery」ですね。いつもどうやってパンを開発されているのですか?

 

堀田さん:新商品は、僕のアイデアと職人が作りたいと思っているものを掛け合わせて形にしてもらうときもあれば、僕が作って欲しい!という想いを細かく伝えて、職人に作ってもらうこともあります。酒粕パンを作ろうとした時は、職人が酒粕を使う生地が苦手だったので、一度断られたんです。ですが、アイデアやイメージを伝えて作ってもらいました。

 

−−− では、お店を任されいている副店長兼パン職人の三浦さんにもお話を伺いたいのですが、普段パンを作られている中で、大切にされていることは何でしょうか?

 


パンが大好きで、特にシンプルなハード系のパンが好みの三浦さん。「foodscape!」のバゲットのおいしさに惹かれて入社したそうです。

 

三浦さん:ほぼ毎日、60 種類ほどのパンを焼いているのですが、焼く前の生地と焼き上がり後の生地を食べて、味のチェックをし、味の質を保っています。特に米粉はとても繊細なので、その日の天候や湿度によって、仕込みの時間を変えています。

 


取材中、「クリームパン」の仕込みを見学させていただきました。

 


焼き上がりがこちら。ふっくらつややかで、取材中だというのに食欲がむくむく…!

 

三浦さん:それに、ほぼ毎月新商品を出すように心がけています。堀田さんに作ってほしいと依頼をいただいたパンや、自分が作りたいとアイデアを出したパンを作っています。4 月は、さくらを意識したパン、5 月は新緑をイメージして抹茶を使ったパン考えました。

「さくらとあずき」に、「さくらあんぱん」。季節感もいっしょに味わえるパン。

 

 

「Farm to Bakery」を体感できるお店づくり

 

−−− なんと、2階のベランダに鶏舎が。パン屋さんに、なぜニワトリがいるのでしょうか?

 


名前は「こめ」と「むぎ」

 

堀田さん:これも「Farm to Bakery」の一環で、淡路島にある「北坂養鶏場」という養鶏家さんからお借りしているニワトリです。「foodscape!」のパンには、「北坂養鶏場」さんの日本古来の原種のニワトリの卵を使っています。実は日本の養鶏場では4%しか残っていないと言われている貴重な品種。日本の伝統や風土を大切にしたいと思っている僕たちの想いとすごくマッチしたので、卵を使わせていだいています。もちろん「こめ」と「むぎ」が生んだ卵も使っていますよ。

 


店内の壁にも、ニワトリのかわいいイラストが。ニワトリの飼育は「北坂養鶏場」さんが管理・指導されているそう。

 

−−− こんな都会で体験できるのは貴重ですね。

 

堀田さん:みなさん、いつもスーパーで買い物をしている時って、野菜は土で育てられたものだとか、卵はニワトリが生んだものだって、いちいち考えないですよね。特に大阪市内のような都会だとなおさら。ここに鶏舎があることで、その事実に、改めて気づいてもらえたらなと思っています。

 

 

まだまだご紹介したいのですが、今回はここまで。

 

<後編記事は・・・>

・「foodscape!」の人気パン&堀田さん・三浦さんのおすすめのパンをご紹介

・知っていればもっと楽しい!お店に隠された仕掛け

・これからの「foodscape!」について

 

⇒後編記事はコチラ

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foodscape!(フードスケープ!)

URL https://food-scape.com/
住所:大阪府大阪市福島区福島1-4-32 foodscape! bld.
(Google Map はコチラ
Tel: 06-6345-1077
営業時間:8:00~20:00
定休日:不定休
お店の隣に有料駐車場あり
※Instagram(@foodscape_bakery)にてイベント告知や定休日などのお知らせを配信中
(2019 年4 月9 日現在)

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  1. ねこまるさん

    素敵なお店ですね

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  2. loving rabbitさん

    凄いこだわりですね♪

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  3. はなかっぱ
    はなかっぱさん

    パンつくりをしたことがないオーナーのこだわりを感じました

    0
  4. loving rabbitさん

    大阪…今は行けないですね…

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  5. にゃおら
    にゃおらさん

    米粉のクロワッサンがおいしそう♡食べてみたいです。

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  6. 3002758さん

    大阪に行ったら行ってみたい!

    0
  7. 3003783さん

    とっても雰囲気のいいパン屋さんですね。どれを食べてもおいしそう。こういう懐かしい感じの素朴なお店が好きです!!

    0
  8. ゆかなな
    ゆかななさん

    日本古来の原種のニワトリが4%しか扱われていないのは初めて知りましたΣ(・ω・ノ)ノ!
    いつか「コメ」と「ムギ」に会ってみたい!

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  9. ゴンさん

    季節感あふれる新商品のパン、とっても美味しそう!
    米粉のクロワッサンも食べてみたいな。

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  10. ごっちさん

    大阪のパン屋さん巡り ここは知りませんでした~
    毎月新商品を出すなんてスゴイ!
    近いうちに訪れますね(^_-)-☆

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  11. 水ようかん
    水ようかんさん

    最近 新しいお店に行ってないなあ。

    そこで食べられるお店 いいですよね。

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  12. みみみみみさん

    イートインするのに2階に上がって、どの席にしようかなぁと歩いていたらニワトリが目に入りびっくりしました。
    私が行った時は本も色々あって本を読みながらゆっくり過ごしました。
    パンがおいしかったです。、

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  13. コスモスさん

    パンを作るのに食材から、凄い拘り。
    大阪に帰省した時に、行ってみたいです。
    しかし、大阪って行きたいパン屋さん、多過ぎ!(笑)

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  14. ぽんころ
    ぽんころさん

    大好きなパン屋さんです!
    こだわりがつまった素敵なお店ですよね。
    後半も楽しみにしてます♪

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