【パン屋さんめぐり 第7回後編】NOTOHIBAKARA BAKERY@石川県金沢市駅西新町

こんにちは!7回目の「Pascoスタッフがいく!全国のおいしいパン屋さんめぐり」、今回は金沢の「NOTOHIBAKARA BAKERY」の後編です。「NOTOHIBAKARA BAKERY」を運営している、「加賀木材株式会社」の社長・増江さまに「NOTOHIBAKARA BAKERY」を作ろうと考えられた経緯などのお話を伺いました。

 

>>前編を読む方はコチラ

 

<今回の記事のポイント>

・なぜパン屋さんを始めようと思ったのか

・能登ヒバとはどんな木材?

・これからの展望について

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材木商社がパン屋を始めるまでのストーリー

 


笑顔が素敵な増江社長。

 

−−− 本日はお忙しい中、お時間を作っていただきありがとうございます。先ほど谷本シェフにも店内には色んなところに能登ヒバが使われていると伺いました。ところで、能登ヒバとはどういう木材なのでしょうか。


石川県の県木になっている、能登ヒバ。地元では「アテ」と呼ばれているそう。

 

増江社長:能登ヒバとは、能登とついている名前の通り、石川県能登地方に分布する針葉樹です。県内でも輪島市や穴水町周辺にしかありません。気候の影響もあり、湿気にとても強く、腐りにくいので住宅の土台に使われることも多いんですよ。

 

−−− 今回、恥ずかしながら、能登ヒバという木材をはじめて知りました。そんな能登ヒバと「加賀木材株式会社」さんの関係を教えてください。

 

増江社長:弊社は1900年に材木商としてスタートしてから、木材・建材・住宅設備機器などの住宅資材を総合的に取り扱う商社として国内・海外から資材を調達・販売を行いながら、付加価値の高い木材製品や建築資材の企画・開発も行ってきました。大切にしていることは「木や森を育む山への感謝の気持ち」です。日本の林業は輸入木材の影響で年々右肩下がり。そこで、日本の林業を盛り上げ、地域全体を活性化していきたい!と考えるようになったときに、地元石川県の能登ヒバに出会いました。

 

−−− 運命的と言っても過言ではない出会いだったんですね。

 

増江社長:そうですね。能登ヒバの魅力を多くの方に伝えていきたい、という想いが強くなり、少しでも質の良い能登ヒバを永続的に育てていくためにはどうしたら良いか、ということをずっと考えていました。そこで能登ヒバの良さをもっと多くの人に伝え、木材の価値を上げていくべきだと考えたんです。どうやって能登ヒバの良さを伝えていったらよいか・・・と考えたとき、これからの未来を担うのは子どもたちなので、子どもたちにそれを伝えるべきだと思ったんです。そこでまずは子育てを応援するカフェを始めました。本物の能登ヒバで作った空間で、能登ヒバのおもちゃを置いたりして、子どもたちに遊びながら木の良さを感じてもらえたらなと。

 

−−− 能登ヒバのことを大切にされているんですね。カフェとは、ベーカリーの横にある「Wood Style Café(ウッド・スタイル・カフェ)」ですか?


Wood Style Caféでは能登ヒバに直接触れることができるスペースがあります。

 

増江社長:はい。カフェではお子さま連れのお母さまたちにたくさん来ていただいていたのですが、もう少し幅広い世代の方々や男性の方にも能登ヒバの良さを伝えられないかと考えました。カフェとの相乗効果や、カフェのお客さまにも喜んでもらえるものは何かと考えたときに、「パンだ!」と思ったんですね。そして、店内が木材だらけだったら「気持ちいい」とか「癒される」とか「おしゃれ」とか、木の良さを感じてもらえるのではないかと思いました。それで、全部地元の能登ヒバを使って、とにかく徹底的にヒバにこだわって作り上げたのが「NOTOHIBAKARA BAKERY」です。

 

−−− なるほど。能登ヒバをふんだんに使った店内で何かを感じてもらいたくて始めたパン屋さん、だから店名も「NOTOHIBAKARA(能登ヒバから)BAKERY(ベーカリー)」なんですね。「NOTOHIBAKARA BAKERY」に来るまでは、正直言ってパンと木材のイメージが繋がりませんでしたが、実際に来てみると本当に素敵な空間だなと思いました。

 

増江社長:住空間は“健康”や“より良いライフスタイル”の要素に通じていると思っています。「NOTOHIBAKARA BAKERY」は、能登ヒバという自然の素材で作られた住空間のような空間を感じていただきたいと思って作りました。おいしいパン屋さんはたくさんありますし、サービスは良くて当たり前。じゃあどこで差をつけるかというとやっぱり空間ではないかと思っています。

 

谷本シェフとの出会い

 

−−− 建築関係のお知り合いを通して、シェフのことを知ったとお聞きしました。谷本シェフから送られたパンを初めて食べたとき、どう感じられたのでしょうか?

 

増江社長:衝撃的でした!おいしいなと!私がすごく木材にこだわっているので、素材にこだわって作られたパンやそれを作っている彼に、非常に興味を持ちましたね。

 

−−− 先ほどシェフも、自分たちの力で人に良いものを提供して社会にも貢献したいと言われていて、木やパンというジャンルを超えたところで、お二人の考え方が合致していると感じました。

 

増江社長:ただ単に「パン屋をやりたいから来てくれ」というだけでは、絶対に金沢に来てくれなかったでしょうね(笑)私が本当にやりたいことを理解してくれて、彼もそれに興味を持ってくれたから、来てくれたんだと思います。今一緒に仕事をしていますが、期待した通りの良い仕事をしてくれていて、おいしいパンでみなさまに喜んでもらい、お客さまがお客さまを連れてきてくれるという良い相乗効果が生まれていて、本当にありがたく思っています。

 

能登ヒバに期待できる健康効果

 

−−− ところで「NOTOHIBAKARA BAKERY」のドアを開けた瞬間、パンの香りより能登ヒバの香りが入ってきたのは衝撃的でした。能登ヒバの木にはどんな効果があるのでしょうか?

 

増江社長:「NOTOHIBAKARA BAKERY」では店内はもちろん、トレーにも能登ヒバを使用しています。木材と健康の関係性については、リラックス効果であったり血圧を下げたりというところが、データ的な裏付けも出てきています。能登ヒバにはヒノキチオールという天然成分が豊富に含まれており、消臭・除菌効果が高く、湿気にも強いのでカビが生えにくいんです。だから、飲食関係の店舗に使うと清潔感のある空間になると思います。一般的にテーブルはアルコールの除菌スプレーをして拭いたりしますが、能登ヒバは雑菌の繁殖を防ぐ力を元々持っているので、そういうのもあまり必要ないんですよ。

 

−−− 確かに、気持ちがスーッと落ち着く気持ちのいい空間だなと感じました。能登ヒバの持つ効果なんですね。

 

増江社長:「良い香りでまた来たくなる」「ここに来ると気分がすっきりする」とおっしゃるお客さまもいらっしゃると伺います。そう思っていただけているからこそ、リピーターの方が増えているのではないでしょうか。人間にとって香りの印象というのは大きいと思いますし、記憶にも残りやすいですよね。


お店に行かれたときは、ぜひ店内の空気をおもいっきり味わってくださいね。

 

意外な場所にも能登ヒバが!

 

−−− 先ほど谷本シェフから「オープンしたての頃は能登ヒバの香りが今よりも強くて、パンに木の香りが移っていると指摘されたこともあった」と伺いました。

 

増江社長:オープンしたての頃は香りもピークだったので、そのようなこともあったのですが、徐々に香りも落ち着いてきました。今はそのようなご指摘をいただくこともなくなりましたね。少しはするかもしれませんが、木の香りが嫌いだから食べたくないと言われる方は少ないと思うんですよね。

 

−−− 確かに、私もですが、木の香りやお茶の葉の香り、い草の香りなど、自然のものの香りって日本人は好きな方が多いように感じます。ちなみに、抗菌や防虫、防カビの効果というのはどのくらい続くのでしょうか?

 

増江社長:おそらく一生続くと思います。能登ヒバは住宅の土台としてよく使われているのですが、沖縄の首里城でも能登から運んだ能登ヒバが使われているんですよ。沖縄は白アリがすごくて木材が朽ちやすいので、防虫効果があって頑丈な能登ヒバが選ばれました。

 

−−− 沖縄の首里城?!それはビックリです!


能登ヒバは、日本人の生活に合った木材の一つ。

 

建築資材の端材で、身近なところにも能登ヒバを

 

−−− ベーカリーの一角で、オリジナルの積み木やエッセンシャルウォーターを販売されていますね。

 

増江社長:能登ヒバで建築資材を作っていると、自然の木材なので、曲がったりねじれたり割れたりするものがあって、100%を使いきれないんですね。それまではしかたなく廃棄していたのですが、よく考えたら「この端材にも能登ヒバの素晴らしい成分が入っているのに、捨てるのはもったいない!」と思って作ったのが、子ども用の積み木やエッセンシャルウォーター、ベーカリーで使っているトレイやトングです。

 

−−− 積み木はお子さまが触ったり、かじったりしても安全で安心ですね!トレイやトングはパンに直接触るものですし。自然の成分で消臭・防虫効果のあるエッセンシャルウォーターは、贈り物にしても喜ばれそうですね。


能登ヒバ関連のアイテムも「NOTOHIBAKARA BAKERY」で販売されてます。

 

「本物」の良さを発信する場所に

 

−−− 「NOTOHIBAKARA BAKERY」に来たことがきっかけで、お客さまから「加賀木材さんで家を建てたい」というような相談を受けることもあるのでしょうか?

 

増江社長:「NOTOHIBAKARA BAKERY」では、まだないですが、カフェのお客さまで、「このカフェのような雰囲気で家を建てたい」と相談をいただいたことは何件かあります。本物の木材を使った空間でくつろいだり食事をしたりすることの素晴らしさを伝えられるお店の先駆けにしたいという思いで始めたので、そのようなご相談は嬉しかったですね。

 

−−− 社長さまが伝えたいと思っていた能登ヒバの良さが、お客さまに伝わっていますね。

 

増江社長:戦後は木材が不足し、安価な輸入木材や木材以外の材料が普及しました。しかし、今は木材の供給が追い付いているので、これからの時代は日本の木材を使った建物が増えてくると考えています。安全で自然な食べ物に対する意識も高まってきているので、ライフスタイル全般をここから発信できるようにしていきたいと考えています。

 

<スタッフの感想>

増江社長のお話の中で、「地元の木材を活用して、それに付加価値を付けて販売する。そうすることで地元に貢献できる。それが山への恩返しになると思っています」という言葉が印象的でした。能登ヒバと人々の生活の間をつなぐアイテムが「パン」というところで、パンの魅力が人々に与える影響について、私たちも改めて考えさせられました。

 

「NOTOHIBAKARA BAKERY」では7月からお客さまの選択肢を増やすため、グルテンフリーのパンの販売を始められるそうです。お客さまのため、そして山への恩返しのために、どんどん進化し続ける「NOTOHIBAKARA BAKERY」から今後も目が離せません!

 

\前編では「NOTOHIBAKARA BAKERY」の谷本シェフのこだわりや人気パンについて伺いました。 /

>>前編を読む方はコチラ

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NOTOHIBAKARA BAKERY(ノトヒバカラベーカリー) 

住所:石川県金沢市駅西新町3丁目11-9
(Google Mapはコチラ
Tel:076-222-1139(予約可能)
営業時間:(平日)9:00~19:00 / (土日祝)7:00〜19:00
定休日:不定休
お店の前と隣に駐車場有り(約25台)

(2018年6月26日現在)

 

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  1. りんゆいあかママさん

    隣県なので遊びに行ったとき寄ってみたい♪

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  2. 3006504
    3006504さん

    雰囲気から落ち着いていて、良さそう!

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  3. ゆうさん

    素敵です。
    金沢へ行った際には、ぜひうかがいたいです。

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  4. うさポンとうさピイ
    うさポンとうさピイさん

    能登ヒバですか初めて知りましたがあったかみがあっていいですね。

    0
  5. クッキーさん

    とてもすてきなパン屋さんですね。
    今度金沢にいったときに行ってみたいです。

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  6. うさポンとうさピイ
    うさポンとうさピイさん

    いいですね。

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  7. ゴンさん

    パンだけでなく、エッセンシャルウォーターも気になります。
    行ってみたいところがまた一つ増えました♡

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  8. 珈琲豆
    珈琲豆さん

    パンの香りと木の香り、どちらも楽しめるのは欲張りだなぁ。

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  9. プリンさん

    木の香りで癒されて 
    パンの香りはよりおいしく感じられるのでしょうね

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  10. コスモスさん

    カフェも素敵ですね♪
    行ってみたいです!

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  11. おにゃんさん

    木の香り、とても好きです。癒されます。その中で美味しいパンを食べられる、Wの幸せですね。

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  12. はんなさん

    深呼吸なんかいもしてしまいそう~

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  13. moca
    mocaさん

    ヒバ材の明るさと温かみが写真でも伝わるお店ですね。
    こんな素敵なお店でパンを思い切り買って食べたいです。

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  14. みみみみみさん

    トレイやトングも能登ヒバなんですね。
    写真で見る店内の雰囲気もステキ!
    行ってみたいです。

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  15. 風鈴さん

    明るくてすっきりしていて素敵な店内ですね。木目も美しいです。能登ヒバの香りが気になります。

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  16. yokoさん

    自然の木材に囲まれた、自然のパンが、
    とても美味しそうですね。

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