美術館のようなゴミ工場で海を眺めて・チョコチップメロンパン
アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した映画「ドライブ・マイ・カー」。村上春樹の原作は比較的短編のため、179分という長編映画で物語を立体化するにあたって、濱口竜介監督は舞台の重要な部分を、広島に設定して演出されています。なかでも監督がほれ込んだというのが、ゴミ処理施設「広島市環境局中工場」。主演の西島秀俊と寡黙なドライバー役を務める三浦透子がここで本音で語り合う、印象的なシーンで使われています。というのも、濱口監督は「ヒロシマを撮るのは自分には早い。この街にきてカメラを回すことはいけないんじゃないかな」と当初は広島を舞台に撮影することに消極的だったとか。そんな彼の考えが一変した大きな理由の一つが、このゴミ処理施設「中工場」の持つ意味合いを知ってからだと聞きました。
「ゴミ処理」という人間の営みの延長線上にある活動を、エコロジーと広場(アクリウム)という言葉をかけあわせ「エコリウム」というコンセプトで、市民に「可視化し共有したい」という思いから、NY近代美術館の建築でも知られる谷口吉生にデザインを依頼したこの中工場。原爆ドームや、広島平和記念資料館を南北に結ぶ軸線の延長上にあり、河口の埋め立て地に建てられています。映画でも描かれていますが「建物内部の中央をガラス張りにし、平和都市の『軸線』を遮らずに海へと抜けるようにして浄化させる」という設計意図が、ガラス張りの吹き抜けエリアを過ぎ、突き当りの先にある、広島湾を見るとよくわかります。至る所に原爆を乗り越えた爪痕がある広島で、逆に映画を撮ることに意味があるんじゃないかと監督も考えが変わっていったとか。
工場内部もゴミの処理される現場だけでなく、スクリーンで処理過程が上映されているので、エコについての知識を深めることもできます。これだけのゴミが毎日出ているという事実に圧倒されつつも、ふと都会の喧騒から離れたいときにもぴったりの場所。海風にふかれながら、夕方の乾いた空気の中、チョコチップメロンパンをモグモグしました。このメロンパン、でっかーいけど、ハイカカオのチョコチップがたっぷり入っているので単調にならない。食べごたえ十分なメロンパンですよね。そしてこちらの透明な美術館をも思わせる中工場、見学無料ですし、平和記念公園に来られる際は、足を延ばしてみてほしい場所です。
#パントーク #ちょっと遠出
「ゴミ処理」という人間の営みの延長線上にある活動を、エコロジーと広場(アクリウム)という言葉をかけあわせ「エコリウム」というコンセプトで、市民に「可視化し共有したい」という思いから、NY近代美術館の建築でも知られる谷口吉生にデザインを依頼したこの中工場。原爆ドームや、広島平和記念資料館を南北に結ぶ軸線の延長上にあり、河口の埋め立て地に建てられています。映画でも描かれていますが「建物内部の中央をガラス張りにし、平和都市の『軸線』を遮らずに海へと抜けるようにして浄化させる」という設計意図が、ガラス張りの吹き抜けエリアを過ぎ、突き当りの先にある、広島湾を見るとよくわかります。至る所に原爆を乗り越えた爪痕がある広島で、逆に映画を撮ることに意味があるんじゃないかと監督も考えが変わっていったとか。
工場内部もゴミの処理される現場だけでなく、スクリーンで処理過程が上映されているので、エコについての知識を深めることもできます。これだけのゴミが毎日出ているという事実に圧倒されつつも、ふと都会の喧騒から離れたいときにもぴったりの場所。海風にふかれながら、夕方の乾いた空気の中、チョコチップメロンパンをモグモグしました。このメロンパン、でっかーいけど、ハイカカオのチョコチップがたっぷり入っているので単調にならない。食べごたえ十分なメロンパンですよね。そしてこちらの透明な美術館をも思わせる中工場、見学無料ですし、平和記念公園に来られる際は、足を延ばしてみてほしい場所です。
#パントーク #ちょっと遠出